NPO法人 ヴォーリズ建築保存再生運動
一粒の会
〒523-0862 滋賀県近江八幡市仲屋町中8番地
TEL/FAX 0748-33-6521
明治38年、近江八幡の地に米国から英語教師として来日した24歳の青年ウイリアム・メレルヴォーリズ(日本名 一柳米来留)。彼は生涯をこの地で過ごし、関西を中心に国内外で1,600棟を超える建築を設計しました。「建築の風格は人間の人格と同じく、その外見よりもむしろ内容にある」としたヒューマニズムあふれる名建築を生みだし、その思想は近代建築の源流となりました。一方で「まち」が「まち」であるために産業をおこし、教育や福祉、医療を進めてきた偉大な業績は今も連綿と生き続けており、今なお強く彼の人となりを慕わずにはいられません。
旧八幡郵便局の建物は、大正10年ヴォーリズによって建てられた歴史的建造物であり、ヴォーリズの大正期の作品的個性を持ち、旧市街中心部のランドマーク的役割を果たしており、数多いヴォーリズ建築作品の中でもユニークな建築遺産です。
私たち「NPO法人ヴォーリズ建築保存再生運動 一粒の会」は、全国のヴォーリズファンとともに、旧八幡郵便局舎の保存再生運動を展開することによって、ヴォーリズが私たちに残し、語りかけるものを後世に伝承することを目的とする組織です。
滋賀県近江八幡市では平成6年・7年・そして平成9年2月1日に3回の「ヴォーリズシンポジウム」が近江八幡市文化会館にて開催され、市民のヴォーリズやヴォーリズ建築に対する思いが高まりました。第3回目のシンポジウムが開催される前年の10月末日、近江八幡市商工観光課主催でヴォーリズの足跡を訪ねて軽井沢ゆかりのヴォーリズ建築を見学するツアーが開催されました。そこで、当時の歴史・文化を形づくる近代建築を、歴史的遺産として大切に保存再生していこうとする「軽井沢ナショナルトラスト」のメンバーの方々との出会いがありました。
ヴォーリズは焼損じで不良品の曲がったレンガを巧みに塀などに利用しています。それらの建築を見学する「ヴォーリズ建築赤レンガツアー」が近江八幡市で開催された際、捨てられているレンガと、まちの中で捨てられているヴォーリズ建築とが重なりあいました。どちらも決して輝きを失ってはいないのです。そして、これまでそうした活動に参加してきた現在の「一粒の会」理事メンバー4〜5人が中心に、仲屋町のあきんど道商店街に面して建つ、洋館建ての古めかしい空家、大正10年にヴォーリズの設計により建てられた歴史的建造物「旧八幡郵便局」を、全国のヴォーリズファンと共に保存改修していく運動が展開されることとなりました。そして、ヴォーリズが私達に残し語りかけるものを後世に伝承する事を目的に、平成10年7月11日に設立された組織が「一粒の会」です。この会は、任意の団体として出発したのですが、社会的責任とそれに伴う体制の充実をはかる必要を感じ、NPO法人を取得しました。(平成12年4月3日)人間が育つ地域という土壌の原点を、ヴォーリズ建築保存再生運動の歩みの中で、ヴォーリズの精神と建築遺産の足跡を大切に語り継いでいきたいと考えています。