馬見岡綿向神社

                〔奥宮〕大嵩(おおだけ)神社御例祭

 

  奥宮の鎮まる綿向山の春は里よりも少し遅れる。4月20日山に芽吹きの頃、頂上に祀る大嵩神社の御例祭・嶽祭りが斎行される。先ず麓の祓いの神を祀る佐久奈度神社(さくなどじんじゃ)に参拝し、お祓いの神事の後に入山する。

  麓の村落である大字西明寺の櫻本家が代々先達を務め、宮司を案内する。約2時間の道のり、登拝者はお山の霊気を感じながら頂上を目指す。年によってはまだ残雪を見ることも多く、また白い辛夷の花が心を和ませる。 

  天穂日命を祀る頂上の大嵩神社の御神前で祭儀を奉仕する。氏子崇敬者などの登拝者は、各々登山の疲れも忘れ神妙に宮司の祝詞に頭を下げる。水の源としてのお山、またこの地域の守護神に感謝し、誠の心を捧げる。更にこの嶽祭りは里に神様を迎える意味を持つものである。

             

       

 お山に神様を初めて祀ったのは、欽明天皇6年(西暦545年)と伝えられている。蒲生の豪族であった山部連羽咋と蒲生稲置三麿が、お山に猟に来た時、祥瑞に遭遇しご託宣を受けて御社殿を建てたのが始まりと伝える。その後、御社殿は20年毎に建て替えられる式年造替の制度が伝えられ、地元の榧木を以て造り替えられる。近年では平成八年に第74回目が斎行され、1400年以上を経た今の世にも守り続けられている。

祭儀が終わると、お供えした御神酒と、糯米の中に大豆を入れて蒸した「白蒸し」という強飯を登拝者皆んなで戴く。登山で空いたお腹には実に美味しく、身体中に染み渡り、新しい生命力を戴いた思いがする。

 

      

馬見岡綿向神社