4月26日(火)くもり
企業災害・不祥事なくすカギは闘う労働組合の存在が不可欠!
−JR福知山線脱線事故から17年JRは教訓学べ−
2005年4月25日にJR福知山線の尼崎駅近くで電車が脱線しマンションに激突、乗客107名が死亡、562名が負傷する悲惨な鉄道事故発生から17年が経過しました。
事故調査委員会の報告によると事故原因は、線路カーブの侵入速度制限70km/hを50km/h近くオーバーする116km/hで曲がろうとし脱線したとされています。
なぜこんな無謀な運転をしたかについては、運転士も死亡したので真実は不明ですが、事故調査委員会の報告書によれば、事故前の駅でオーバーランし、遅れを回復するために制限速度を大きく超えてカーブに突入したこととされています。
事故の原因の一つには、遅延など運転ミスが発生すれば、運転業務を外されて、見せしめ的な「日勤教育」と称する懲罰が課せられていたことや、急カーブにかかわらず速度オーバーすれば自動的にブレーキをかける「ATS」が設置されていなかったこと、私鉄との競争のために過密ダイヤになっていたことなどとされています。
JRでは、この「日勤教育」について、世論の大きな批判を受けて2016年には懲罰的教育制度廃止を決定した、としています。
しかし、今年、4月19日、岡山地裁で50代男性運転士による回送列車出発が1分間遅延したことを理由に、賃金カットしたことに対し、賃金カットは違法とし、56円の支払い命令の判決が行われました。
この判決は、脱線事故から17年目を直前にして、脱線事故の原因とされた、JRの懲罰体質が何も変わっていないことを世間に明らかにし、脱線事故遺族の皆さんたちから大きな批判を受けています。
JRの儲け最優先の企業体質に対し、労働者、労働組合が安心して働ける職場、現場に存在する問題を自由に発言し、しっかりと交渉するなかで、経営体質を改めさせることの重要性を明らかにしました。
JR脱線事故から17年目に、北海道の知床半島の世界遺産観光船の乗客26人が、死亡、行方不明になる海難事故が起こりました。
報道によれば、事故を起こした会社は、3年前に経営者が変わり、ベテラン船長などを全員解雇したそうです。
解雇理由は、不明ですが、不当な解雇に対して労働者が抵抗して労働組合を作って交渉していたら、今回のような事故は防げたのではないかと悔やまれます。
しっかりと要求交渉を行う闘う労働組合は、労働条件をよくするだけでなく、現場の意見を経営者に届けて改善し労働条件も働く環境もよくする、「労働者もよし」「経営者もよし」「ユーザーもよし」の「三方よし」を実現する組織です。
わたくしたち、労働組合組織の関係者は、日本社会が抱える新自由主義(儲けのためには規制をなくす)の悪しきくびきから抜け出すために、労働組合の持っている社会的力を広げる奮闘が求められています。
そんな中、わたくしたちJMITU京滋地本の支部があるカシフジで、京都銀行が事業活動でSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業向け融資「PIF(ポジティブ・インパクト・ファイナンス)」の初めての契約が行われました。
カシフジでは、1ち億円の融資を女性の雇用促進や、機械の長寿命化、リサイクル促進などに活用するとしています。
カシフジは、持続可能な経営のために、ユーザーに優しい製品だけでなく、それを製造する労働者にも優しい環境を今後も作っていくと述べています。
カシフジ支部では、経営困難な状況でも、労働者の要求実現のために経営問題にも現場の意見を出して交渉を行い、「食(労働条件)と職(企業)を守る」活動に積極的に取り組んできました。
この方針は、JMITUの「合意協力型労使関係の推進」(労使がしっかり協議し合意の上で取り組む)方針に活かされています。 |
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下 SDGs融資の4月20日付け京都新聞記事 |
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4月12日(火)はれ
梶川さん大健闘、府政課題を明確化、いのち・暮らし守る闘いに全力!
−今こそ労働組合の拡大強化で働くもののとりでの構築を−
4月10日に行われた京都府知事選挙は、現職の西脇氏が再選されました。選挙結果は、西脇氏が、50万5千票、梶川さんが25万1千票でした。
梶川さんは、知事選の立候補表明が遅れて政策の訴えが十分に浸透しませんでした。一方、西脇氏は、現職知事としての知名度があり、選挙準備も挑戦者の梶川氏に先行する有利な状況での選挙結果でした。
梶川さんは、コロナで府民の命と暮らしが脅かされている状況で、税金を大型開発よりも保健所をふやし、最賃引き上げ対策などで地域経済を活性化させる政策で知事選挙の争点を明確化して闘い、投票率が前回より2%増える結果となりました。
梶川さんは、労働組合を束ねて活動する地域センター「京都労働組合総評議会(京都総評)」議長として、労働者の要求実現の先頭に立って活動し、その中から自治体の課題を政策化して、京都府・市など関係自治体に要求してきました。
知事選挙で、このような梶川さんの実績や取り組みについて、「働く者・社会的弱者の代表」との認識の浸透も不十分でした。
現在、労働組合が、憲法で労働組合を作り、加入し経営者に要求実現を求めて交渉する権利を保障されている、働く者の要求実現の組織であることの認識が薄くなってしまっています。
労働組合が、マスコミに取り上げられる場合、多くは政治のニュースとして、ナショナルセンター(労働組合の全国的結集組織)の「連合」がどの政党を推薦・支持するのか、などとして報道されます。
3月25日号の「週刊朝日」のインタビュー記事、「連合・芳野友子会長に聞く−選挙はどの政党を応援しますか?−」は、マスコミの労働組合報道の歪んだ典型的事例と言えます。
同記事の内容についての、まっとうな労働組合活動に対する事実無根と偏見については、名指しされた当事者組合として、JMITU中央執行委員長の三木委員長が、芳野連合会長に対して抗議し謝罪を求めています。
ひどいのは、インタビューを行った週刊朝日で、担当記者は、芳野会長の経歴に関して「JYUKIで活動を始めていますが、そこでも共産系の組合と対立があったのですか。」と、労働組合に「共産系」と修飾語で質問する不見識ぶりです。
日本国憲法28条では「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」とあり、働くものであれば誰でも(思想信条、国籍、雇用形態など問わず)労働組合を結成し加入し交渉、活動できることをうたっています。
労働組合は、労働者がよりよく生きるための要求に基づいて結成、加入、交渉、活動する組織で、「資本からの独立」「政党からの独立」は大原則です。
インタビューを行った週刊朝日の記者は、何に基づいて質問当該組合を「共産系」と決めつけたのか明らかにして、質問するのがジャーナリストして最低限の資格です。
マスコミで「共産系」と決めつけられる労働組合の多くが、「特定政党を支持しない」「組合員の政治活動の自由保障」「一致する要求で組合と政党が対等の立場で協力協同する」という、労働組合の組織原則を守っているいることを取材し、その事実を報道すべきです。
反対に、当記事でも明らかなように、連合では、特定政党の推薦と共産党排除を行っており、労働組合の組織原則に反することを取材し、それが社会にもたらしている弊害の事実を報道すべきです。
ジャーナリズムは、権力から距離をおき、勇気を持って事実を報道し社会進歩に貢献することが求められています。
ロシアでは、ジャーナリストとしての信条を貫いて、ロシア政府のウクライナ侵略に抗議した女性アナウンサーが世界から称賛されています。
朝日新聞では、安倍元首相の意を受け、他社のインタビュー記事の事前閲覧を行おうとするなどジャーナリズムの権威を失墜させることが起こっています。
朝日新聞には、かって本多勝一氏など、ベトナム戦争や、極限に生きる民族の取材など取材を通じて報道する優れたジャーナリストが存在しました。
また、4月13日の朝日新聞のコラム「天声人語」でアマゾンの過酷労働とそれを改善するために労働者が立ち上がり、労働組合結成を行ったことを取り上げ、過酷労働を改善するには「歯止めをかける仕組みが必要で、労働組合はその重要な柱となる。」と書いていました。
京都新聞4月3日付けでは、POSSE代表の今野晴貴氏が、日本の労働現場のひどい状況、賃金が上昇しない原因を「日本の労働者が理不尽なことにも抵抗しないし、声を上げない」ことが原因とすること、世界ではストライキの嵐が吹き荒れ「米国で2018年に48万人以上の労働者がストライキに参加しました。」と述べる記事が記載されました。
ジャーナリズムの矜持を信じて、報道で、社会における重要な組織である労働組合の権威を失墜させることがないことを期待したい。 |
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(左)報告集会で健闘の声に応える梶川総評議長 (右)週刊朝日3月25日の記事 |
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4月5日(火)はれ
ロシアはウクライナから直ちに撤退せよ、市民の虐殺やめよ!
−憲法知事誕生させ京都から戦争反対、世界平和の発信を−
桜が満開となり、コロナがなければ花見で交流を深めて楽しむ季節、卯月、4月です。
ロシアのウクライナ侵略による、一般市民の大虐殺のニュースが世界中に衝撃を与えています。
世界は、ナチスによるユダヤ人大虐殺や、アメリカの原爆投下による一般市民の無差別殺戮、民族紛争での大虐殺など、人類の悲劇を経験し、二度とこのような悲劇を繰り返さないために、人類の叡智を集め行動してきました。
今回のウクライナおけるロシアの大虐殺に対し「人間の持つ本源的な業」と絶望的な意見もありますが、すべての人間が、「自らの人生は自ら全うしたい」という本源的要求に基づいて、一人一人が声を上げることが必要です。
歴史上の悲劇・虐殺の多くは戦争によって引き起こされています。だからこそ、「紛争の解決は、武力ではなく話し合い、交渉で解決する」ことをルールにし、このルールを破るものに対しては厳しい罰則が適用される仕組みが必要です。
75年間、戦争によって人を殺さないことを続けている日本は、一部から「平和ボケ」などと揶揄されますが、今回のロシアによる蛮行に対し、「私の国は、戦争で人を殺さない、殺さなかった」と誇りを持つことができます。
戦争のための武力放棄、交戦権否認の日本国憲法が今こそ世界に広く発信されることが、求められます。
そのために、憲法を守り、暮らしに活かす、梶川憲法知事誕生が世界平和への大きな一歩になります。頑張りましょう。 |
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