親会社イマジカ・京都エステートから不当解雇された
向井 忠夫さんのたたかい
 
  2001年11月30日より738日間不当解雇撤回闘争を不屈に闘い抜き全面勝利した、「JMIU京滋地本京都エステート向井解雇撤回闘争勝利解決報告・祝賀会」が2月15日、京都市内で開かれ全国各地から200名の方々が参加され盛大なつどいになりました。この集会を持って闘いは名実共に終了いたしました。
 長い間のご支援本当にありがとうございました。
     2004年2月16日
          向井忠夫
       JMIU京滋地本
  向井忠夫さんを守る会
 詳しい内容・集会の模様などは向井闘争勝利報告集会で紹介しています。ご覧ください。
 
 解雇されてまる2年、全国の仲間のご支援で勝利することが出来ました。
 心からお礼申し上げます。
  2003年12月8日大阪高等裁判所における和解成立をもって、不当解雇撤回闘争を終結するに当たって、下記の声明を発表しました。

1、イマジカ(現FEL)の子会社、京都エステート(京都機械を改称、本社=東京都品川区五反田)がJMIU京都エステート分会の向井忠夫さんを不当解雇した事件は、従業員としての地位確認と賃金支払いを求めて京都地裁に提訴してたたかってきました。2003年6月30日京都地方裁判所で勝利判決を勝ち取り、その後早期全面解決めざして自主交渉を重ねてきた結果、12月8日大阪高等裁判所において和解が成立し、内容的に勝利したことから闘争を終結しました。不当解雇からちょうど2年で全面解決したことは、JMIU全国産別を軸としたたたかいに、全労連、京都総評、各地方労連、各地域労連、映演総連、各労組、金属機械反合闘争委員会、京都争議団共闘、民主団体、国民救援会など組織の枠を越えた多くのみなさんの力強いご支援によるものであり、ご支援いただいた全国すべてのみなさんに心より厚くお礼申し上げます。 
2、自主交渉では京都地裁の勝利判決に立ち、解雇の撤回、争議の解決、解決金を要求し和解交渉を続けてきました。一方、会社は大阪高等裁判所に控訴しましたが、組合は自主交渉を引き続き申し入れ、9回に及ぶ交渉を行い全面解決することになりました。和解内容は、退職までの賃金支払いを確保するとともに、くらしを保障する解決金についてもこれまでの争議解決水準を上回るものと評価でき、全面的な勝利です。
3、今回の争議は、2001年6月末に、京都機械(株)の大株主イマジカ(旧東洋現像所)の強い意向として「不採算部門」の機械部門を閉鎖し、新会社に営業譲渡することを発表したことからはじまりました。まともにたたかわない連合JAM労組を、向井さんは脱退し、JMIUに加入、くらしと雇用を守るたたかいを開始しました。向井さんは譲渡された機械部門を引き継ぐ新会社への採用を希望したが断られたためやむなく、京都エステートに雇用責任を求め、雇用継続した2ヶ月間会社は賃金を支払ったが、2001年11月30日に、「やってもらう仕事がない」「業績が悪い」という口実で不当に解雇しました。
4、2002年1月15日、京都地裁へ提訴し、向井さんとJMIU京滋地本は、京都や全国の仲間に依拠してたたかいを拡げてきました。公正判決を求める署名活動は、短期間のうちに個人15000筆、団体1500を超えて提出。また、「守る会」は31団体・325名個人会員を組織し、これらの力が相乗して勝利判決を勝ち取りました。判決の中で、「イマジカはイマジカ・グループ内を含めて整理解雇を回避する努力を尽くさなければならない」という画期的な内容が含まれています。
5、不当解雇を撤回し勝利和解したことは、企業の横暴なリストラ「合理化」とたたかっている、多くの仲間に大きな勇気を与えるとともに、まともな労働組合に結集してたたかえば、雇用を守れることを証明しました。争議を終結することになりましたが、この勝利を力に、引き続き労働者が安心して働ける職場と平和な社会を目指し奮闘する決意を新たにしています。今後ともご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。
2003年12月8日
                                                       全日本金属情報機器労働組合京滋地方本部
                                         
執行委員長   吉田 正
                                                          同 京都エステート分会 向井 忠夫

 大阪高裁において不当解雇されてまる2年経過した12月8日、勝利和解を勝ち取りました。京都エステートは不当解雇した責任を認め、京都地裁判決を基礎にした和解内容となっています。
 向井忠夫さんは、勝利和解した力は、全国・京都のJMIUと民主勢力の大きな支援のおかげであり、今後は労働者の働く権利を擁護し、全面的に発展させるため、引き続きがんばっていきたいと決意を述べています。
 全国の支援をいただいたすべての皆さんに、感謝します。本当に長い間、ご支援ありがとうございました。
(写真左から川村JMIU京滋地本書記長・守る会事務局長、向井忠夫さん、森川弁護士、藤澤弁護士、山本中央副委員長)
(勝利和解を祝福するJMIU京滋地本の組合員)
座り込みに引き続いて11月19日、金属反合第158回共同行動で100人の仲間が争議解決を要請
 11月17日〜18日の座り込みに引き続いて19日には第158回金属反合共同行動に参加して、全国の仲間の支援を得てイマジカ前で抗議・要請行動を行いました。
 この行動には100人の仲間が参加し、イマジカ総務部長に社内ロビーで要請文を渡し、早期解決に向けて引き続きの努力を要請しました。
(写真はイマジカ前で訴える南部地協小泉事務局長、左端は向井忠夫さん)
長瀬文男FEL(旧イマジカ)社長に、早期決断を迫る本社前、座り込みを決行、JMIU東京南部地協の支援を得て11月17日〜18日のべ30人が参加
 勝利判決を勝ち取って5ヶ月が経過しました。会社とはこの間、8回の自主交渉を行い解決に向けた条件整備は整いつつありますが、まだ問題点が残っています。
 JMIU京滋地本は、年内解決を目指し、解雇後3回目のお正月を勝利の中で迎えようと座り込みを決行しました。これは、持株会社FEL(旧イマジカ)社長長瀬文男氏に争議解決の決断を迫る行動でした。
 座り込みには、秋年末闘争で大変忙しい中、JMIU東京南部地協と金属反合の大きな支援を得て17日・18日の2日間行い、のべ30人の参加で成功させることが出来ました。
 同時に、長瀬文男社長に対して早期解決を決断せよと、抗議・要請はがきを全国から集中しています。
 第2回目の大阪高裁での口頭弁論は12月8日ですが、それまでに解決をと全力でがんばっています。
 9回目の自主交渉は、11月28日に持たれます。
(写真は、座り込み中の右から2人目向井忠夫さん、右端川村JMIU京滋地本書記長、3人目・4人目はJMIU京滋地本カシフジ支部今江・加藤さんと支援の仲間)
映画関係者から激励メッセージ寄せられる
お寄せいただいたメッセージを順次ご紹介します。(2003年10月21日)
メッセージ
 速やかな控訴取り下げ、京都地裁の判決を尊重した解決を!

 いま、日本道路公団の藤井総裁解任が話題になっていますが、法律的にそう簡単にはいかないようです。まして解雇となれば深刻です。
 向井忠夫さんは「京都エステート」で35年間、ひたすら設計の仕事に打ち込んでこられた方です。会社にどんな事情があるにせよ、たった一通の郵便で解雇できるはずがありません。そのことは、京都地裁の判決でも明らかです。
 私は一介の映画監督ですが、映画を撮るときは常に、人を愛し、観る人に生きる希望と勇気を与えたいと願ってつくり続けています。そして、そのフイルムの仕上げ作業をイマジカが東洋現像所の時代からお手伝いいただいています。
 「京都エステート」の親会社であるイマジカが、速やかに控訴を取り下げ、京都地裁の判決を尊重した解決に尽力されることを切にお願いする次第です。
                       映画監督  大澤 豊

(「遙かなる甲子園」「GAME−月桃の花」「金色のクジラ」「アイ・ラブ・ユー」「アイ・ラブ・フレンズ」「アイ・ラブ・ピース」などの映画監督です。)(2003年10月21日)
メッセージ
  「多くの人々が、みなさまのたたかいに勇気づけられていることでしょう。この闘いが早期に解決し、勝利の日が来ることを、心より期待します。」
                       映画監督  朝原  雄三
(朝原監督は松竹の社員監督。代表作は「サラリーマン専科」シリーズ、「釣りバカ日誌14」など)
メッセージ
  「人が人らしく働ける場を供することは、企業の使命でもあるはずです。皆さまの闘いが、早期に解決されますよう心からお祈り申し上げます。」
                       映画監督  本木  克英
(本木監督は松竹の社員監督。代表作は「釣りバカ日誌11〜13」など)

メッセージ
  「京都エステートによる向井さんの不当解雇事件に関して、憲法に基づき、 基本的人権が守られる解決がなされるように希望します。 国家であろうとも企業であろうとも、あらゆる集団は、人が資本です。人が存在しない組織など存在しません。個人を大事にしない企業は、顧客を大事にするとは思えません。短絡的な数字や理念で、従業員を切る以上、顧客に対しても短絡的な数字や理念で、対応すると考えらるからです。また、そのような企業に未来があるとも思えません。企業自身の未来のためにも、人を大事にする解決法を考慮するべきです。」
          映演総連全東映労連 劇映画監督  田口  仁
(東映社員監督の田口 仁さんは、東映労組の副委員長を務めておられます)

メッセージ
  「労働者が問答無用で職場を追われることを『リストラ』と呼び、当たり前のことのようにされている現在だからこそ、それが全く『当たり前』でないこと、人間の基本的な権利を踏みにじる暴挙であることを改めて証明したのが、向井忠夫さんの勝利判決です。
 会社側は法も認めた自らの非行を潔く反省し、そのつぐないをすべきです。不当な控訴裁判の決着を待たず、最終的な勝利をかちとりましょ。」
 日本映画復興会議代表委員・映画評論家  山田  和夫

9月11日、第156回金属反合共同行動に参加し、仲間の支援を得て
京都エステート・親会社イマジカに早期全面解決を要請
 向井さんのたたかいは京都や全国の仲間の支援を得て、勝利判決に従って1日も早く争議の解決をはかれと、自主交渉を持ちながら、金属反合共同行動に参加したたかいを強めています。
 9月11日には朝から行動し、京都エステート・親会社イマジカ本社前で京滋の組合員と共に、支援の仲間110名の参加で1日も早い解決を、親会社の総務部副部長に要請しました。その中で、すでに提出してある全面解決に向けての要求書に対する回答については、「明日に回答する」と約束。東京で自主交渉を持つことになりました。
 会社は一方では大阪高裁に控訴し、第1回口頭弁論は、10月28日午後1時30分と設定されました。
 全面解決に向け、さらにがんばる決意を固めています。
 左の写真は、9・11要請行動、イマジカ前で訴える向井さんです。(2003.9.20)
早期解決めざす8月6日の親会社イマジカ・京都エステート(東京・五反田)への要請行動

親会社イマジカ前での宣伝行動・8月6日
京都エステート分会向井忠夫組合員の不当解雇事件は、6月30日「解雇は無効・賃金支払い」を命ずる全面勝利判決を勝ち取ることが出来ました。すぐに全面解決に向けて交渉を申し入れ、社長・取締役出席のもと京都で2回行いました会社は「解決に向けて何とか自主交渉で解決したい」とテーブルにつきながら、一方では大阪高裁に控訴しました。
 JMIU京滋地本は、7月21日開催した第24回定期大会で、親会社イマジカと京都エステートへ様々な独自行動など闘いを広げ、争議の一日も早い解決を追求していくことを決定しました。その第一歩の取り組みとして、8月6日に親会社イマジカへの要請行動を、金属反合やJMIU東京地本の力を借りて49名の参加で行いました。JMIU京滋地本から向井さん本人を含め、5名が参加しました。
 早朝のJR五反田駅前の宣伝行動では、
その後イマジカ本社前で宣伝行動、要請行動、座り込み行動を行い「大株主イマジカは、判決に従って正しい労使関係を確立し、全面解決へ努力せよ」と迫りました。直接雇用関係がある京都エステート金子社長は夏休みで不在、いつものイマジカの総務課長が対応してその旨伝えることを確約しました。
 最後に長瀬文男取締役社長らが住居を構える世田谷区成城地域へのビラまきを取り組みました。参加した40人が付近一帯をビラまき、大勢でまいたので短時間に終了しました。この行動を通して1000枚のビラを配布。参加者全員、早期勝利解決へ全力でたたかう決意を固めた1日でした。













6月30日、勝利判決報告集会で、判決内容を報告する弁護団の一人、藤澤眞美弁護士
左隣が向井忠夫さん
解雇のいきさつ

京都機械(株)は、大株主イマジカの強い意向として2001年6月末、「不採算部門」の機械部門を閉鎖し、新会社に譲渡することを企業内連合労組に通告。連合労組が基本的に合意したことから、向井忠夫さん(56歳・勤続35年、機械設計を担当)は、連合労組を脱退し、2001年7月全日本金属情報機器労組(JMIU)に加入し、くらしと雇用を守る闘いを開始しました。向井さんは譲渡された機械部門を引き継ぐ新会社への採用を希望したが、その保障が得られなかったことから、京都エステート(京都機械が社名を変更し、不動産部門のみの会社)に引き続き雇用を継続することをやむを得ず通告、2ヶ月間は賃金が支払われました。ところが、2001年11月30日に、京都エステートは、「向井さんにやってもらう仕事はない」「会社の業績が悪い」という理由で不当に解雇しました。

裁判闘争・勝利判決

2002年1月15日、@解雇無効、A従業員としての地位の確認、B賃金支払いの3項目の判決を求める裁判を、京都地裁へ起こし、不当解雇撤回の裁判闘争を開始しました。 この間、10回の口頭弁論が行われのべ194人の仲間が傍聴し裁判闘争をともに闘ってきました。そして、6月30日勝利判決を勝ち取ることが出来ました。判決の要旨は次の通りです。
一、原告が被告の従業員である地位を有することを確認する。
二、被告は原告に対し、平成13年11月30日から本判決確定の日まで、毎月25日限り、金29万6千円を支払え。
三、訴訟費用は被告の負担とする。
四、この判決は、二項に限り、仮に執行することが出来る。

勝利の要因・御礼

解雇された向井さんとJMIU京滋地本は、どんなことがあっても負けられないと、京都や全国の仲間に依拠して闘いを拡げてきました。金属反合闘争委員会に参加し、京都エステートの親会社イマジカ(東京)への抗議の共同行動を9回行い、毎回100名を超える仲間が参加しました。公正判決を求める署名活動は、今年になって全国オルグを行い、京都と全国の仲間・労働組合から短期間の内に個人15、217筆、団体署名1501団体(2003年6月27日現在)を集め、京都地裁へ提出、その上公正判決を求めるはがきを3、000枚活用しました。また、守る会は26団体・285人個人会員を組織し、これらの力が相乗して勝利判決を勝ち取りました。ご支援ありがとうございました。今後早急に会社と会って、直接交渉で解決を迫っていきます。引き続きご支援をお願いします。
JMIU京滋地方本部・向井忠夫さんを守る会
2003年6月30日

争議の早期解決へ・交渉始まる
6月30日の勝利判決を受け7月1日京都エステートの金子社長に早期解決の話し合いの申し入れを行いました。
これにもとづき第1回目の交渉が、7月3日午後、「新京都ホテル」のロビーで金子社長、簑島取締役入洛のもとひらかれました。JMIUからは川村地本書記長・向井が出席しました。
この交渉で、金子社長は「高裁へ控訴して争う気はあるが、ズーと争ってメリットがあるのかの思いだ。今までの団体交渉のもち方については反省をしている。なんとか話し合いで早く解決したい」と述べました。
まとめとして、今日の時点では具体的な話にはならなかったが、今後も話し合いのテーブルは継続し、信頼関係を持って交渉を進めていくことになりました。
引き続き争議の早期全面解決へご支援・ご協力をお願い致します。
JMIU京滋地本・京都エステート分会
2003年7月4日