滋賀県は、びわ湖にそそぐ河川が多く、その砂質の扇状地がダイコンやカブの栽培に適しています。 この朝妻筑摩地区も、一級河川「天野川」の河口付近にあり, カブの栽培地としては適地で、もともと「入江カブ」が栽培されていました。 米原町の南隣に彦根市があり、井伊氏の彦根城があります。その城内にある庭園「玄宮園」で、庭師が偶然発見した新種のカブがあったそうです。その庭師はそのカブをもち帰り、カブの栽培を広めました。そして収穫したカブを漬物にして、代々藩主に献上されていました。これが「小泉カブ」といわれるものです。 さらに、このカブを改良されたものが「入江カブ(赤長)」です。 「入江カブ」は、根長が20センチメートルにもなり、肉質はややかたい赤カブラで、内湖の藻(も)を肥料にして栽培されていたこともありました。 1990年頃、「入江カブ」は絶滅したと言われていますが、今では、品種を赤丸カブに代えて栽培され、歴史を引き継いで、赤カブの酢漬(すづけ)、赤カブの糠漬(ぬかづけ)の特産化がすすんでいます。 |