自然学習塾「いのちの学習」(わんぱく塾共催)2010.10.16

 

 日頃私たちは、食べ物に対して何不自由無く食べ、好きな物と嫌いな物を選り分けたり、必要以上に作って食べ残しをするなど、誰もが飽食に慣れきってしまっています。テレビでは、どれだけたくさん食べられるかを競い合う番組まであり、食べ物に対する感謝の気持ちなど、薄らいでいく一方です。毎日食べる三度の食事が、その都度生き物の命の犠牲に成り立っていることを考えようと、この度北里小学校のわんぱく塾と共催で「命の学習」を開催しました。

 今回は、身近なニワトリを題材にして、みんなで考えました。
最初にお肉やお魚を使った料理の写真を基に、仲間を分けました。「お魚、鶏肉、豚肉、牛肉」の四種類です。
みんなの大好きな料理のほとんどが、生き物の命をとって作られたものでした。

  

次にニワトリを放して、こどもたちとのふれあいの時間です。暖かい体温を感じ、お肉にさばいていくことを話すと「可哀想や〜」と、こどもたち。でも、みんなが「おいしい」と、いって食べているお肉も、誰かがこうして鶏を殺してさばいてくれているから食べられるんです。その過程に目をつむることはできません。
首を落として、血を抜いた後、お湯につけて羽をむしります。きれいになった鶏をお肉に切り分けていきます。

    

 さて、そのお肉をいただく前に、毎日のみんなの食事と、生き物たちの命の関わりについて、日曜学校でおなじみの宝泉寺池上ご住職にお話していただきます。「毎日ひたすら一生懸命生きている動物たちの命と、『あ〜、もう死にたいわ』とか愚痴ばかり言いながら生きている我々人間と、どちらの命が重いと思いますか?」「朝お腹一杯食べたのに、もうお昼にはお腹がすく」「数知れないほどの命の犠牲の上に、人間の命が成り立っている」「いただきますや、ごちそうさま、はなぜ言うのか?」「僕の命を食べて、頑張って生きていってねと、命を差し出した生き物たちが君たちに言っている。だから、その分ももっと命を大事に生きなければいけないんだ」など、こどもたちにわかりやすく命の尊さ、食べることの大切さなどをお話し頂きました。

 お話の後は、お楽しみのご飯の時間です。鶏肉を使った炊き込みご飯とおみそ汁。5杯もおかわりをする子たちもいて、たいへん満足な様子でした。
食事の後、みんなに感想文を書いて頂き閉校しました。今日のことが少しでもみんなの心の片隅に残れば幸いです。


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