藤居さんは十歳で八日市市本町の内藤ひ
ろみバレエ研究所に入団。根っからのバレ
エ好きで、漠然とプロにあこがれていたが、
一九九九年に開かれた「全国バレエコンク
ール・IN名古屋」で手応えをつかんだ。
全国六位に相当する東海テレビ賞を受賞し
て、本格的な留学を決意。六十倍の競争率
を勝ち抜き、高校卒業後に単身、ロシアへ
旅立った。
「ロシアは国全体がバレエを支えていた。
日本とは全く違ってショックだった」と興
奮気味に振り返る藤居さん。日本では平均
的な体格でも、一五九センチという身長は
ロシア人に比べ見劣りする。不利な体格を
補うため、回転軸の安定を重視して、表現
力を磨いたという。
レッスンに励む藤居瑞穂さん
=八日市市本町の内藤ひろみバレエ研究所で
留学中の今年五月、サンクトアカデミーの芸術監督に認められ、ロシアでバ
レエを続ける道を開いた。「本場ロシアの国立バレエ団で踊りたい」。二年間
の留学で見つけた答えだった。研修期間は一年間。研修生といっても立場は団
員と一緒。レッスンの傍ら、月二十本近くの公演に出演するという。
六月に帰国後、八日市で週四回のレッスンに励む藤居さん。「ソリストにな
れるまで何年かかるかわからないが、バレエが好きだし、挑戦してみたい」と
大きな夢を膨らませている。