P10 第3回自然学習塾(2002,10,14)
今回の自然学習塾は、古くから町内に残るカワトのことについて学びました。
昔から日野川の恵みを受けてきた私たちのまちには、「カワト」と呼ばれる生活の知恵が残されてきました。
川に最も近い段差をつくり、米をとぎ、野菜を洗い、洗濯をしたり、魚を飼うなど、昔から川が私たちの生活を支えてきました。
小田町内全域を巡っている川には、ほとんどの家庭が接していたため、家の中にその川を引き込んで洗い場をつくる家もありました。
水と親しくつきあい、水をうまく利用するこの「カワト」も、上水道の普及や、道路の拡張に伴う暗渠化と共に姿を消しつつあります。今ではほんの一部残されているのみです。
それと同時に川の汚れや、生きものの姿にみんなが目を向けなくなってしまいました。
自分たちの使った水が、更に下流の住民に利用されていた頃は、お互いに水を汚さない暗黙のルールのようなものがありました。
しかし、生活の便利さと引き替えに、みんなが川の恩恵を忘れてしまったのではないでしょうか。
川は単に水の利用だけでなく、生きものを育み、人の心に安らぎを与えてきたことを忘れてはなりません。
日常から遠く、目にする機会が無くなった川には、自分の使った後の汚い排水が何処へいこうと、気にすることすらありません。
ゴミと同じで、自分の目の前からなくなればそれで安心してしまうのです。
これは、私たちが使った排水を琵琶湖へ流し、下流の京都や大阪の人がそれを利用していることにも通じます。
自分さえきれいに使えれば良いというのではなく、川や周囲への思いやりの気持ちをみんなが持つことが大切です。
いつかこの「カワト」がなくなったとしても、その気持ちだけは忘れないでおきたいものです。
カワトの学習が終わったところで、お楽しみの生きもの調べです。
すばしっこい魚も、子どもたちに追い込まれて次々と捕まっていきます。
メダカはもちろん、フナ、ゼゼラ、カワエビ、オイカワ、ボテジャコ、ハイジャコ、カワムツ、モロコ、ザリガニ・・・相変わらずの顔ぶれに一安心しました。
この川の恵みをいつまでも享受できますように。
こんな大物のアユもいました。
次はいつもの水質調べです。
CODや、PH、透視度の測定は、みんなに人気のメニューです。
顕微鏡をパソコンに映して、小さなプランクトンたちを覗くコーナーにも人気が集まりました。
水質測定の結果は、以下のとおりでした。
COD ・・・8
PH ・・・8.3(アルカリ性)
透視度・・・65cm
この事業は競艇の交付金による日本財団の助成を受けて実施しています