しかし筑摩神社の祭神は、御食津大神・宇迦之魂神・大年神であり、いずれも食物を掌る神々であることや、筑摩の地が平安時代に宮内省内膳司に所属する筑摩御厨という宮中の食物を掌る機関があったことから、神前に作物、魚介類などを供えるとともに、近江鍋と呼ばれた特産の土鍋を贖物としたことが、鍋冠祭りの原初の姿ではないかと考えられている。