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1)宮世話の組織改革 |
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筑摩神社の宮世話については、従来男性の厄年といわれる42歳前後に奉仕する事が長年の慣例となっていた。尤も過去に於いても、当該年齢層の人不足の場合は、便宜その任期を一年延長し、「三年番」ということにしてその穴を埋めてきた例もあったようであるが、近年の現象は過去の人不足の比ではなく、必要人員確保のため低年齢化の傾向は年々著しくなり、このままで推移すると平成14年には33歳の人がその任に当たることが確実視されるような状況になり、早急な対応が求められるようになった。
このような現状を平成12年の初総会において論議され、検討委員会を設置して改革案をまとめることになった。初総会終了後早速区役員・氏子総代・宮世話等それぞれ組織の代表者によって委員会を組織し検討を重ね、平成12年12月の臨時総会において改革案が承認決定されたのである。
なお、組織の改革にあわせ、祭礼行事のあり方についても提案され承認された。組織及び祭礼行事について改められた主な事項は次の通りである. |
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組織 |
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@現行の氏子総代(四名)と宮世話(八名)の組織を一本化して、新たに宮世話として九名で組織する。
A宮世話の任期は三年とし、毎年三名づつ交代する。
B宮世話の選任は、現行の氏子総代の年齢を継承し、年齢順とする。 |
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祭礼行事 |
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@旧春祭り(四月三日)の神事は廃止する。
A毎年十二月三一日に各戸から集める鏡餅は廃止し、初穂米のみ集める。
B春祭り渡御のしんがりをつとめる「曳山」は、交通事情を考慮して、国道八号線バイパスが完成するまで中止する。 |
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2)宮世話の引継ぎ |
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宮世話の引継ぎは、元来儀式として行われていたが、先に記した宮世話組織改革によって簡素化され、社務所にて行われるようになった。 |
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3)役割り |
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三月の末(近年は日曜日が多い)祭礼の役決めが行われる。また同時に宮世話の役割分担も決められる。役割の配布は、先箱の練習、鍋冠の段取りのため早めに配布される。 |
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4)奴(先箱)の練習 |
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四月の中旬から奴の練習がはじまる。指導は保存会の担当者が行う。独特の蹴り奴で、掛け声は次の通りである。
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甲「エーヨンヤセー」
乙「エートマッカナー」
甲「エーアレワイサーノサー」
乙「エーチョットマッカナー」 |
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5)囃しの練習 |
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現在では、保存会が主体となり囃しの練習および後継者の育成を行っている。 |
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6)御幣切り |
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頭差しの前に御幣切りが行われる。神主、宮世話が集まり五色の色紙、奉書、美濃紙、麻緒等の材料で、唐櫃、太幣、神鏡、猿田彦、鍋冠の御幣等の用意がされる。床の間にすごもを敷き安置され、御神酒、洗米、塩が供えられ、入魂の儀が執り行なわれる。 |
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7)頭差し |
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祭礼の一週間ほど前の日曜日に行われる。御幣神をすでに決まっている鍋冠の八人の家へ、唐櫃に御幣神をおさめ、警護二名を先導に、唐櫃・神主・宮世話の順で、一軒一軒頭差しに行くわけである。それから宵宮の日まで、鍋冠の家では床の間にすごもを敷き、御幣神を安置し、御神酒・洗米・塩を毎朝供える。 |
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8)宵宮神迎え |
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五月二日、午後一時よりお旅所御輿堂へ神迎えの行事がある。神迎えの渡御は、太鼓を先頭に(以前は錦旗持ちが先頭だった)御鳳輦警護、御鳳輦とつづく。神社では神主により、本殿より御鳳輦への神移しがあり、神主を加えた同じ行列で渡御し、お旅所で御鳳輦より御輿へ神は安置される。
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9)御幣神返し |
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神迎えの渡御がお旅所に着く頃、お旅所の一角には鍋冠の八人が揃って緋の衵姿で、それぞれ御幣神を棒持して扣えている。神主は一人一人から御幣神をあずかり、御輿に安置される。これで神迎えの行事は終了し、その頃より氏子のお参りが始まる。 |
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10)調印式 |
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午後八時より、筑摩・上多良・中多良・下多良の古式委員長、副委員長、神主が集まり、宿(今は公民館座敷)で行われる。紋付羽織袴、扇子の正装である。まず、協議事項から始まる。普通次の事項である。
一、渡御の序列。出発時刻について。
一、到着、出発の挨拶について。
一、序列改めについて。
一、その他。
異存が無ければ、祭典行列帳に各古式委員長は署名捺印をし、終了する。終了後、取極めの御神酒をいただく。 |
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11)神鏡受け |
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普通、鏡受けといっている。調印式後、お旅所において行われる。筑摩、三多良の各古式委員長は神主より神鏡を受ける。鏡受けが終わると、曳山の上で囃し方による祭囃子が始まり、先箱の奴振りがあって十時頃宵宮の行事が終わる。 |
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