「山廃仕込み(やまはいじこみ)」ってなーに?
【酵母を添加しない山廃仕込】 酵母を添加しない、本来の山廃もと造りがこの蔵の特徴。最近の傾向として、きれいな口当りの山廃仕込みのお酒が、多いなか、この蔵のお酒は腰の強さと太さが魅力です。酵母を添加しないというのは、山廃だから当たり前だと思われるかもしれませんが、実際には酵母を添加して造る蔵の方が、圧倒的に多いのが実情。 ですから、普通は1日おきに仕込んでいく、「半仕舞(はんじまい)」もしくは毎日仕込む、「日仕舞(ひじまい)」なんですが、この蔵は山廃の特定名称酒の場合、4日で1本、もしくはそれ以上の時間をかけて仕込むこともあるそうです。 (もっとも最近では、杜氏さんもそのクセを熟知され、普通主を山廃に変えてから、普通酒だけはなんとか半仕舞でやれるようになったとか) つまり、それだけ手間がかかり、作業工程の前半は“もと造り”ばかりに集中するとか。現在、全体の酒の中で山廃造りの酒の比率は75%。“暖気樽・だきだる”をいかに使うかという、温度操作が鍵となり、そうして造られた味のある酒こそ不老泉の個性であると、上原専務はおっしゃいます。 【手法なのか、味なのか】 専務とのお話の中で強く印象に残るのは、山廃造りという“手法”で淡くてきれいなお酒を造る蔵もあれば、当社のように山廃造りならではの濃い“味”で売る蔵もある。速醸で造った酒のような淡麗な山廃では、結局アイテムバラエティーのひとつとしての存在でしかないのでは。当社は長い熟成にも耐えられる、本当の山廃造りの味を、これからも提供していきたい。 という言葉です。 かたやま酒店 メールマガジン あなたと地酒と音楽と(2003・3・19)より引用 【山廃造り】 酵母を添加しない山廃造り、つまり、自然に酵母が湧いてくるような方法を取る山廃造りをする蔵元は、まず無いと書いてしまいましたが、訂正させていただきます。本当に申し訳ありませんでした。 今号で紹介しました上原酒造さんでは、酵母を添加しない山廃造りをされておられます。「山廃」と表示している酒のほとんどは、酵母を添加した酒です。そういう酒が、不味いというわけではありません。美味しい酒も多いのは事実です。しかしながら、酵母添加を行わず、じっくりと酵母が自然に湧いてくるのを待ち、酒を醸すような蔵元もあるというのは驚きでした。そしてその酒の味が本当に素晴らしかったことは、より大きな驚きでした。 【蔵元探訪】 上原酒造さんは、琵琶湖の西岸の北部に位置します。酒造高は500石ほど。本当に小さな蔵元ながら、最新の精米機で丁寧に精白を行い、酒質の向上を重視する実力蔵です。 「うちの杜氏は山廃が得意でして・・・」 そう、控えめに言われた声には自信が満ちていました。 実際、山廃の酒を飲ませていただくと、その力強さに驚きました。口当たりは柔らかいのですが、じわじわと味わいが口中に広がり、しかも、その味わいが長く続きます。本当に芯の太い酒でした。 「酵母添加しないので、苦労するんですよ。」 一瞬、聞き違いかと思ってしまいました。正直、いまどき、そんな造り方をしている蔵元っていないと思ってたんです。 「なかなか(酵母が)湧いてこないから、心配して、(酒造指導の)先生に相談したら『酵母添加しなさい』って言われてしまうんですけど、杜氏は「ほっとけ〜」ですんでねぇ。うちの杜氏は、『酵母を添加するような山廃(造り)は、山廃(造り)じゃない』って言うんですよ。」 sakemag82(2000・10・6)より引用
自然界には色々な微生物が共存している。 |
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上原酒造株式会社
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