績の酒講座(1) (平成7年12月)
Q:なぜ寒い冬にお酒を仕込むの?
A:寒いと酒のもろみがゆっくりと発酵します。
つまり、お米の中心の良質のデンプンを酵母がじっくりと旨みやフルーツのような香り、
アルコール、そして炭酸ガスに変えます。
発酵が早いと薄っぺらな酒になります。
だから切れるような寒さの中、酒を造ります。
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績の酒講座(2) (平成8年2月)
Q:「幻の酒」って?
A:現在「幻の酒」といわれている蔵元は、戦後間もない米が大変不足し、
原料としての米も大変不足していた頃、
ほとんどの蔵元がアルコールと糖類、調味料を加えた三増酒を盛んに造っていたなかで
このような酒を造っていてはいけないと考え、良い原料米を使用して本当においしい酒を造りました。
(その頃は酒の量が大変少なかったため、品質がよくなくても酒は売れたのです)
当然価格は高価なものとなり、最初は苦労されたようですが、
旨いものを飲みたいという気持ちは昔も今も変わりません。
ほどなく品質が認められ、生産が追いつかなくなり、
なかなか手に入らない「幻の酒」となったわけです。
私ども上原酒造も県下で3台目の高性能精米機を導入し、品質向上に努めております。
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績の酒講座(3) (平成8年5月)
「酵母(こうぼ)」
「酵母」というよりも「イースト菌」といったらわかるかもしれません。
「イースト菌」とは、パンを膨らませる役目をする微生物です。
酒づくりに使用される酵母は、パンづくりに使用されるものとは少々違います。
さて、酒づくりにおける酵母の役割ですが、原料である米のデンプン質を
麹(こうじが)ブドウ糖に変え、そのブドウ糖からアルコールと炭酸ガスをつくる役割をするのが酵母です。
酒づくりにおいて酵母は大変重要な微生物で、
どんなに腕の良い杜氏でも酵母にはかなわないと言われています。
吟醸酒の果物のような芳香をつくり、
純米酒のようなどっしりした味をつくり、
辛口のキレのよい後味をつくり、
甘口のほのかな味のふくらみをつくるなど、
すべては酵母の働きによるものです。
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績の酒講座(4) (平成8年7月)
「生酒」
しぼってすぐの酒はすべて生酒です。通常はこの生酒をろ過し、
火入れ(加熱殺菌)をして貯蔵されます。
熟成後、製品としてビン詰めをするとき、2度目の火入れをします。
生酒(本生酒)は火入れをしていない生まれたままの酒で、
酵母と約700種類の酵素が生きていますので、身体にやさしく、
新酒らしいみずみずしさと、ほのかな甘さがそのまま残っています。
1度飲めば忘れられないでしょう。
生貯蔵酒は生酒同様に火入れをせずに低温で貯蔵され、
ビン詰めするときにだけ火入れをされます。
生で貯蔵されるのですからそれだけ生の風味が特徴として生かされています。
当社ではこれらを−5度で大切に貯蔵しております。
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績の酒講座(5) (平成8年12月)
「燗酒考」
冬の訪れとともに燗酒が嬉しい季節となりました。
しかし、時にはその香りに「うっ」と思われたり、苦手な方もいらっしゃることと思います。
その「うっ」の正体はアルコール臭だと思われます。
日本酒はもちろんアルコール飲料なのでアルコール臭がして当たり前です。
アルコールの添加が多ければ多いほど量が増えコストが落ちますが、
この「うっ」が出現します。
口がべたつく、後味が苦いなどは糖類などの添加物が原因です。
しっかりとした造りの日本酒では
「うっ」とくることはありません。
ここに蔵元の良心があらわれるのです。
良い原料を使用し、しっかりと米の味を出してやる造りをすれば、
料理を引き立て、酔い心地もよく、
適量であれば健康増進にも効果があるのです。
燗は寒い冬のに日本酒の楽しみ方のひとつであり、
また、悪い酒を見分ける方法でもあるのです。
良い酒を選んで、それを美味しくいただくというのは最高の楽しみではないかと思います。
▼燗酒にぴったりの「奥琵琶湖 黒ラベル」上撰
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績の酒講座(7) (平成9年7月)
「酒米(さかまい)」
酒造好適米の中で最も良いものは兵庫県の特A地区で栽培された山田錦です。
気候がこの山田錦の栽培に最適なのです。
外硬内軟の米質で、たんぱく質が少ない大粒米です。
その他の府県でも山田錦は栽培されています。
兵庫県特A地区の山田錦には及びませんが、他府県産の山田錦でも一般米と比べると
良い酒ができるのは間違いありません。
当社でも朽木村において平成8年より山田錦の契約栽培をしています。
これは平成9年に新発売し、好評をいただいた純米吟醸「杣(そま)の天狗」になります。
杜氏がこれからもいい酒を造り続けるには、良い米がなければなりません。
これからも「いい米を作りたい」という篤農家との契約栽培を増やし、
おいしい酒をもっと造ってまいります。
▼酒米「亀の尾」で造られた酒「亀亀覇」
▼篤農家グループの酒米使用 地域密着の酒はこちら
▼杜氏自ら栽培した「たかね錦(にしき)」で造った酒はこちら
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績の酒講座(8)
甘口・辛口ってなーに
日本酒の即売会などでは「辛口の酒はどれや?」と
聞いてこられるお客様が、あまりにも多く驚きます。
おそらく頭の中では、おいしい酒=辛口の酒という式ができあがっているのでしょう。
でも、そんなお客さまに、数値的には辛口だけど甘く感じる酒を勧めてみると、
これは旨い、といって買って帰られることが多いのです。
これは甘辛に限ったことではありません。
この話はこれからがかんじん。
日本酒本来の甘辛は、アルコール添加が多くて口当たりがピリピリときたり、
添加物で口が甘くべたつくなどのことではありません。
数値的に日本酒度という比重によって示す甘辛はありますが、
これで全体を表せるものではありません。
酒の味とは、米の旨みがじっくりと出て、デンプン質の甘味と、
酵母の造る酸味が渾然一体となって造られるものです。
これは700種以上の成分の微妙なバランスによるものです。
このバランスや酒の成り立ちを楽しむなど、
一度甘辛を卒業してみると本当に自分に合う酒にであるのではないでしょうか。
試してみてください。
▼大辛口の酒「辛々(からから)」はこちら
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績の酒講座(9) (平成10年2月)
上原酒造の日本酒のできるまで
これは「不老泉の酒造り」に掲載しています。
績の酒講座(10) (平成10年7月)
ワインVS日本酒
日本酒の発酵形態をワインなどと比較してみると、
ワインはぶどうからの採果汁に含まれる糖分を酵母が直接発酵する単行発酵です。
ビールはまず、大麦を発芽させた麦芽を作りこれより麦汁をとり、
この麦汁が発酵する単行複発酵です。
日本酒は、米をまず麹(こうじ)によって糖化してデンプン質をブドウ糖に分解して、
このブドウ糖を酵母が発酵します。
糖化と発酵が同時に進行する並行複発酵です。
この並行複発酵という発酵形態をとるのは、全世界をみても、わが日本酒だけなのです。
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績の酒講座(11) (平成10年12月)
水について
12月に入ってだんだん仕込みも忙しくなってきました。
この時期は水が大変冷たく、台所仕事も大変だと思いますが、
蔵元にとっては仕込みをやっていくうえで水は大変重要なものです。
腕のいい杜氏、良い原料を使用しても、
水が悪ければどうにもなりません。
酒造りでいちばん嫌われれるのが、”鉄”(かなけ)です。
鉄が水に含まれていると、酒の色が茶褐色になり風味が落ちますので、
商品価値がなくなります。
有効成分はカリウム、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、クロール(塩素)が
適度に含まれているものが良いのです。
発酵中の酵母の栄養となったり、麹(こうじ)の酵素の溶出に関与するものなどに
関わってくるのが水なのです。
酒造りに適している水というのはこれらの成分が適度に含まれていたということですね。
でも、いくら良い水があっても蔵元自身の
いい酒を造りたいという気持ちが一番大切なんですけどね。念のため。
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績の酒講座(13) (平成11年7月)
「杜氏のくちぐせ」
うちの杜氏の口癖です。
『酒は僕らが造るんやない。社長が造るんや!』
この言葉を聞くと、「酒は杜氏が造るんじゃなかったの?」とどなたも思われるでしょうが、
次の言葉で意味がわかると思います。
『社長の姿勢が、酒の味に出るんや!』
ひと冬に造る酒の本数や原料米の調達、甘口辛口などの味のタイプの設計は、社長が作り、
それを杜氏が形にします。
ですから、杜氏がいくらいい腕を持っていても、
原価を安くあげようと、原料米の品質をさげたり、醸造アルコールを規定いっぱい添加したり、
活性炭を多く使用したりなど
社長の設計が悪いと、杜氏の腕のふるいようがありません。
良い原料米を使い、設備が整っている中で、
自分の持てるものを全て注ぎ込んで、最高の酒を造りたい。
というのは杜氏として職人として、当たり前のことだと思います。
今の山根杜氏が当社に来てから8年になります。
「いやー、えらいわ」(これが最も多い口癖かもしれません)を連発しながらも
毎年いい酒をしぼってくれます。
春に故郷の兵庫県村岡町の杜氏組合の新酒品評会で町長賞を受賞したと喜んで電話してきました。
今は、今年の酒造りの米を作っています。
秋には、その米とともに元気にこの上原酒造に来ることでしょう。
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績の酒講座(14) (平成11年12月)
「賞味期限」
日本酒は製造年月日のみの記載です。賞味期限は記載されておりません。
「出荷後何ヶ月迄にお飲みください」というのはないのですが、
買い上げ後1〜2ヶ月後ぐらいには飲んでいただきたいですね。
日本酒には「老ね(ひね)」「火落ち(ひおち)」という現象があります。
老ねとは、日本酒が劣化することです。香りに異臭が混じり、もちろん味も劣化します。
火落ちとは、生酒などで、酒の中で生きている火落菌(乳酸菌の一種)が
増殖して、日本酒を酸敗させることです。
殺菌(火入れ)をしていない生酒や、殺菌が不十分な酒に起き易くなります。
これらは、日本酒を気温の高いところに置いていたり、
長時間直射日光にさらしたら起き易くなり、
両者いっしょだとなおさらです。
生酒なら冷蔵庫、その他の冷蔵庫が望ましいのですが、
できなければ日陰の涼しいところに置いてほしいものです。
また、米をあまり磨かず、アルコール添加が多い酒、
飲んだら甘ったるく、手がべたつく酒。
つまり、利益を狙いすぎた酒は、老(ひ)ねるのが早いですね。
(安曇川町の居酒屋のマスターよりのご質問でした)
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績の酒講座(15) (平成12年1月)
「お酒の香味は冷蔵庫でも変わります」
お酒は瓶詰め後も変化します。
生酒はもちろん火入れ殺菌したものでも徐々に変化します。
特に生酒は酵母や酵素が生きていますので、
冷蔵庫の中でも変化します。
米の味がしっかりと出ている生酒はだんだんとコクが出てきて、
舌ざわりがよくなってきます。
こんな変化を自分なりに感じてみるのも生酒の楽しみ方のひとつではないでしょうか。
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績の酒講座(16) (平成12年7月)
「酒粕」
これから奈良漬用の酒粕(踏み込み粕)の出荷が本格的になってきます。
酒粕とは、酒をしぼった時に出てくるものです。
その時は色が白っぽくて板のような感じですので「板粕」と呼ばれています。
板粕を大きなタンクに入れて、ていねいに踏み込んで夏まで寝かせます。
その間に外気温の上昇による熟成などで色がだんだんピンク色っぽくなってきて軟らかくなり甘味が出てきます。
酒粕の中には、色が茶色っぽくなっているものもありますが、
その原因として、店頭で直射日光を浴びすぎたものか、
原料米がよくないものか、どちらかになります。
県外のある小売店が言うには、
「酒粕を見ればその蔵元の姿勢が分かる」ということでした。
確かにそのとおりですそ、実際に奈良漬にしてみても味がぜんぜん違うと思います。
米粒の外側ほど雑味の原因となるタンパク質、ミネラルが多く、
これらを取り除いて原料米(白米)としますが、
精米が不十分な場合や、等外などの安い米を使用した場合、
タンパク質と酵素が日光によって反応してくすんだ黄土色のような、
精米時に出てくるような赤糠のような色がつくのです。
……ちょっと難しかったかな。
▼この酒粕で漬けた美重子の漬物はこちら
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績の酒講座(17) (平成12年12月)
「精米」とは
精米とは、玄米を研いで白米にすることです。一般に食べる米の精白歩合は90〜95%ぐらいです。
つまり5〜10%を糠として取り除いたものです。
酒米の場合、普通酒で70%、大吟醸で35〜50%も精米します。
米粒の外側ほどタンパク質や脂肪分、ミネラルなどが含まれており、それらは発酵を進めすぎたり、
お酒の雑味の原因となるので取り除きます。
精米はとても重要な工程です。
これを失敗すると米のデンプン質が変質して、良い酒は望めません。
上原酒造は以前精米業者に精米を委託しておりましたが、
5年前から県下で2台目となるコンピューター式の全自動精米機を導入し自家精米をしております。
これにより酒質はおおいに向上したと確信しています。
▼上原酒造の精米機の画像はこちら
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績の酒講座(20) (平成14年12月)
お酒の保管の正しい知識お教えします。
知ってほしいことです。
大吟醸や吟醸酒などは燗しないこと。
大吟醸や吟醸酒などの香りが高いタイプのお酒は
燗にすると、熱により香りが立ちすぎて、
かえって香りと味のバランスが崩れてしまい、
くどい感じの味になります。
生酒は開栓しなくても冷蔵庫に入れて。
「生酒は開栓していなければ常温でも大丈夫」と
思っておられる方がかなりおられます。
生酒は酵母や、酵素がまだ生きています。
ですから、生ものと同じなんです。
開栓しなくても必ず冷蔵庫に入れてください。
お酒は光を嫌います。
お酒は知られていないけど、どてもデリケート。
日光はもちろんのこと、蛍光灯の光も嫌いです。
光によってお酒が茶色く着色してしまうからです。
着色してしまったお酒の商品価値はありません。
明るいところに陳列してあるお酒は目立つけど、
お酒には大変良くないのです。
でも、例外として「古酒(こしゅ)」は長い間の熟成によって
徐々に色が変わってくるのです。
ラベルをよく見てくださいね。
▼秘蔵古酒もあります!(昭和47年・平成2年)
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績の酒講座(21) (平成13年12月)
「お酒が古くなったら」
皆さん経験ありませんか?
ずっと前に買ってあったり知人からいただいた酒を忘れてしまっていて、
古くなってしまったことありませんか?
そんなときはこの表を見てください。
▼「ひやおろし」の酒
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績の酒講座(22) (平成14年7月)
「濾過(ろか)」「無濾過(むろか)」って?
現在、全国的に「無濾過生原酒」という種類の商品がたくさん発売されています。
「濾過」という言葉はよく使われる言葉ですので、意味はよく分かるものと思います。
濁ったものを透明にすることですね。
お酒はしぼりたての時は少しにごっています。
原料の米が溶けたものが混じっているので、少しにごっているのですが、
これを濾過によって取り除いた酒が一般的です。
これに対して、濾過せずに少しにごったままで瓶詰した酒を「無濾過」といいます。
これがしぼったままの酒ということになりますね。
しぼってすぐの酒はピリッと炭酸の効いた荒々しい味ですが、
今の時期には落ち着いた深い味わいの酒になっていますね。
無濾過の酒は濾過した酒と比べて味が深くなり、成熟が早くなりますね。
でもそれはしっかりと冷蔵庫で管理してやっての話ですけど。
▼吟醸「里山風の舞」生 無濾過
▼純米吟醸「百笑の夢」生 無濾過
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績の酒講座(23) (平成14年12月)
「食べるお米で酒ができるか?」
もちろん、日本晴(にほんばれ)や こしひかりなどの食用米でも日本酒は造ることはできます。
ただ、造りにくいことは確かですね。
好適米と比べて硬いし粒が小さいし、米洗いではなかなか水を吸ってくれないですね。
食べるとおいしい米なので、食用米で造った酒のほうが酒造好適米で造った酒より、
しぼりたての時にはむしろおいしい場合もありますね。
しかし、酒造好適米が酒造りにはやっぱり優位です。
いちばんの違いは”米の底力”ですね。
つまり貯蔵していくと好適米で造った酒はより酒質が良くなってきます。
逆に、食用米で造った酒は、熟成させても難しいところもあります。
ですから、生酒として出荷する酒はほとんど好適米で造られています。
しかし、去年の酒造りではこれとは違う体験をしました。
浅井町の篤農家グループ「百笑一座」が栽培したこしひかりで造った純米酒「百笑の夢」がそうでした。
しぼったときはただ辛いだけの酒でしたけど、夏を越えたあたりから熟成による旨味がでてきて
味のバランスが整ってきたんです。
ですから、今がいい状態なんです。
食用米でこのような経験をしたのが初めてなので、私も驚いています。
今までの考えをちょっと改めなければいけませんね。
これがこしひかりの”底力”なんでしょうか?
いい勉強になりました。
▼純米吟醸「百笑の夢」生 無濾過
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績の酒講座(23-2) (平成15年7月)
酒の値段ってなぜこうも違うんですか?
日本酒の値段は全国を見まわすと、上は1.8リットル1本100,000円もするお酒がありますし
下は数百円というものもあります。
さて、なぜこうも値段が違うのでしょうか?
(1)原料米が違う
すごく腕のたつ杜氏さんでも、いい米が使えないと腕の揮い(ふるい)ようがありません。
いい米の価格はどうしても高価になるのは皆さんよく知っていることと思います。
(2)米をどれだけ磨くか
日本酒は食べる以上に精米した白米を使います。
価格の高い純米大吟醸や大吟醸クラスの酒になると、2日以上もかけてじっくりと米を磨きます。
食べる米は数分で精米しますよね。
(3)どれだけアル添するか
日本酒を造る技術にアルコール添加という方法がありますが、規定いっぱいに
大量に添加すると、アルコール度数は上がり相当の増量になります。
そうなるとコストはずいぶんと下がります。でも味は……。
(4)どれだけ手をかけているか
酒を造るのは杜氏をはじめ蔵人たちです。
蔵人が手造りで手をかけることにより、コストはどうしても上がりますね。
しかし手をかけないといい酒はできないのです。
上原酒造は山廃仕込(やまはいじこみ)や木槽天秤(きぶねてんびん)しぼりなどの本当の手造り酒です。
▼上原酒造で一番高い酒(秘蔵古酒)
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績の酒講座(24) (平成15年12月)
日本酒の種類を知っていますか?
五千を超える日本酒の銘柄の中から、あれこれと飲んで比べてみる。
日本酒ならではの楽しみですね。
でも実際は「なにをどう選んだらよいかわからない」というのが実情でしょう。
おいしい酒に出会うためにも、まずその種類と特徴を知っていれば
おいしい自分好みのお酒に出会えることでしょう。
◎製造方法や原材料によって区別する特定名称酒と一般的な普通酒があります。
特定名称酒には三種類あります。
吟醸酒
精米歩合60%以下の白米と(玄米の40%を糠として磨き取った米)
その白米から作った麹(こうじ)と水を原料として吟味して造ったお酒で、
果実のような香り(この香りを吟醸香といいます)と
さらりとした口あたりが特徴です。 ▼吟醸酒はこちら
純米酒
白米と米麹および水だけを原料として造ったお酒で、
コクのある深い味わいが特徴です。
文字通りお米だけで造られたお酒です。▼純米大吟醸はこちら ▼特別純米酒はこちら
本醸造酒
白米と麹、そして醸造アルコールおよび水を原料として造ったお酒です。
舌のすべりのよいさらりとした飲み口が特徴です。 ▼本醸造酒はこちら
これら特定名称酒はさらに8種類に分類されます。
生酒、生貯蔵酒、生詰
このほかに日本酒は貯蔵方法の特徴から
生酒:しぼった後、一切熱処理をしないお酒
生貯蔵酒:しぼった後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の直前に加熱処理をしたお酒
生詰:しぼった後、加熱処理をし一定期間貯蔵後、2回目の加熱処理をしないお酒
「日本酒を知る」
まずここからはじめてみませんか?
”お酒は酔うためのもの”と今まで考えていた方、
この種類のことを見ながら色々なお酒を味わってみると、
また日本酒の見方もきっと変わってくるはずですよ。
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