ワタカ
ワタカはコイ科に属し、琵琶湖・淀川水系の固有種(遺存種ではないかという見解もある?)とされています。成魚は全長20~30㎝、体重50~200g、2~3年で成熟します。雑食性だが、水草や冠水した陸草の新芽をよく食べます。200gの雌は約7万粒の卵を持っています。天然では6~7月に雨後の増水時に湖岸の浅瀬に来て、水草などに産卵します。当協会では、水草を好んで食することから琵琶湖(南湖)の環境改善のため、琵琶湖栽培漁業センターにおいてワタカの種苗生産、放流事業も行っています。
ワタカの飼育と放流
親及び仔稚魚の飼育と採卵
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琵琶湖栽培漁業センターでは採卵に必要な主に3才の親を飼育しています(親魚の写真は滋賀県水産試験場提供)。 |
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ワタカはニゴロブナ、ホンモロコとほぼ同じ産卵生態です。6~7月に飼育池に人工藻を浮かべて、自然に産卵させています。卵は直径約1㎜程度で粘着性の強い沈性卵です。水温20℃では約3日ほどでふ化します。 |
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産まれたばかりの魚(ふ化仔魚)にあたえるための動物プランクトン(ワムシ)を人工培養します。 |
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卵は約3日ほどでふ化します。産まれたばかりの魚(ふ化仔魚)に人工培養した動物プランクトン(ワムシ)をあたえます。ふ化仔魚の長さは約4mm程度です。 |
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少し大きくなった魚(稚魚)に人工のエサをあたえます。 |
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放流サイズ(4㎝程度)に成長した魚を飼育池から取上げて計量します。 |
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放流サイズ(4㎝程度)に成長した魚をびわ湖まで運んで放流します(3月)。 |
ワタカの標識調査

漁師さん達が琵琶湖(主に南湖)から捕ってきたワタカに放流前につけた標識が付いているかを調べてます。
こうして調べた結果をニゴロブナと同じように「混獲率」で表しています。
放流したワタカの混獲率は、平成24年度~令和3年度では72.6%~95.2%の間で推移し非常に高い値が続いており、天然のワタカ資源が非常に少ないことがわかります。
平成24年度以前の詳細な調査結果は報告書にまとめています。